2度目のビッグイヤーをもたらした男
FCバルセロナ監督としてのフランク・ライカールトの時代が、今、終わりを告げようとしている。バルサの歴代監督としては、ヨハン・クライフ(1988-1996)、ジャック・グリーンウェル(1917-1924)に次ぐ3番目に長い5シーズンを指揮、そしてチームに史上2度目のチャンピオンズリーグのタイトルをもたらした。その他、就任中に2度のリーガエスパニョーラと2度のスペインスーパーカップを獲得、間違いなくクラブの歴史に名を残した監督だった。また、そうしたタイトルと共に、その優しい人柄、品行方正な態度も、ファンから愛された。
【新プロジェクトの核に】元ACミラン、アヤックスの選手であり、元オランダ代表¥監督だったフランク・ライカールト監督は、2003年夏、FCバルセロナの会長に就任したばかりのジョアン・ラポルタ会長に導かれてバルサの監督に着任した。当時は監督経験も浅く、バルサと無関係の同監督の起用に反対する声も多かった。それまで4シーズン、度重なる監督の交代、システムの変更にもかかわらず、無冠のシーズンが続いていた中で、新たな希望を乗せた旅立ちだった。しかしながらフランク・ライカールト監督は初年度を紆余曲折の末にチャンピオンズリーグ圏内の2位で終え、十¥分に及第点を与えられるスタートを切ることに成功した。
【リーガ初制覇】特に、シーズン終盤は怒涛の快進撃で勝ち続けた為、ソ¥シオやファンに良い感触を植えつけた。続くシーズン、チームはデコ、エトー、エジミウソ¥ン、シウビーニョ、ラーション、ジュリ、ベレッチを獲得、そしてチームは見事、3試合を残してリーガエスパニョーラのチャンピオンに輝いた。このシーズン、バルサは最も多くのゴールを決め、最も失点の少ないチームとなった。一方、チャンピオンズリーグではチェルシーの前にベスト16で敗れ去った。
【2冠】“好調ならばいじらない”翌シーズン、チームは僅かにファン・ボメルとエスケーロを加えたのみに補強を抑えたものの、チームは益々、その栄華を謳歌した。フランク・ライカールト監督にとって最高潮となったシーズン、リーガエスパニョーラ2連覇とチャンピオンズリーグを制覇、2冠を達成した。その他、ベティスとの戦いでスペインスーパーカップを制し、また、サンティアゴ・ベルナベウで永遠のライバル相手に0-3での勝利、また、スタンフォード・ブリッジでのチェルシー戦を1-2で勝利するなど、記憶に残る数々の勝利を収めたシーズンでもあった。
【標的】続いて2006-07シーズン、バルサはエスパニョールとの戦いを制し、2シーズン連続でのスペインスーパーカップのタイトルを手にした。しかし、このシーズンのタイトルはこれが最初で最後となった。もはやリーガエスパニョーラ、そしてチャンピオンズリーグの全てのチームに標的にされたバルサは、次々と意欲十¥分、研究十¥分で臨んでくる難敵を跳ね返さなければならなかった。しかしながら、モナコで欧州スーパーカップのタイトルを目指した戦いではセビージャに敗れ、2007年末のクラブ・ワールドカップではブラジルのインテルナシオナルの前に涙を呑んだ。さらには、その2ヶ月後にチャンピオンズリーグベスト16でリバプールに敗退した。
国内では、コパ・デル・レイ(国王杯)の準決勝でヘタフェ相手にまさかの大敗、そしてリーガではリードしていたレアル・マドリードとの勝ち点差が次々と縮まって行った。そして、シーズンの大半でエトーとメッシを欠いたチームは、最後にリーガのタイトルも逃してしまった。
【5年目、最後のシーズン】そして2007-08シーズン、ティエリ・アンリ、ガビ・ミリート、トゥーレ・ヤヤ、エリック・アビダルの4選手を新たに加え、フランク・ライカールト監督は再出発した。先シーズンの悪夢を忘れ、そして屈強なディフェンスラインを目標に掲げた。しかしながらリーガでは安定した戦いぶりを示すことが出来ず、チャンピオンズリーグではゴール不足に悩み、準決勝のオールド・トラフォードでマンチェスター・ユナイテッドに敗れた。コパ・デル・レイ(国王杯)ではセビージャ、ビジャレアルと言った強豪を次々と倒したものの、準決勝では今シーズン絶不調に苦しんでいたバレンシアに敗れた。
【2番目に多い試合数】5シーズン、チームを率いたフランク・ライカールト監督は、8シーズンの長期に渡ってバルサを指揮したヨハン・クライフの306試合に次ぐ、リーガでは190試合でそのタクトを振った(残り2試合を指揮したと仮定)。ここまでの188試合において、ライカールト監督が率いたバルサは111勝45分32敗という数字を残している。また、チャンピオンズリーグでは45試合を指揮し、25勝10分6敗という成績を収めている。
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